税金・手続

退職金にかかる税金と手取りの計算方法

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電卓と税務資料で金額を確認する様子

退職金は給与所得とは別の「退職所得」として課税されます。給与より税負担が軽くなるよう、退職所得控除と原則2分の1課税が設けられています。一方で、計算を誤ると住民税の天引き額に驚き、転職後の生活費が足りなくなることがあります。この記事では、国税庁の計算の流れに沿って、額面から手取りまでの手順を分解します。

計算は5ステップで考える

手順は次の通りです。1) 収入金額(源泉徴収前の額面)を確定する。2) 勤続年数から退職所得控除を計算する。3) (収入−控除)に2分の1を掛け、千円未満を切り捨てて課税退職所得を出す。4) 課税退職所得に所得税の累進税率を当て、復興特別所得税(所得税額×2.1%)を足す。5) 課税退職所得×10%で住民税を出す。手取りは額面から所得税・復興税・住民税を引いた金額です。

給与計算と違うのは、社会保険料が原則かからないこと、所得控除(基礎控除など)を差し引かないこと、そして2分の1があることです。源泉徴収票の「退職所得」欄だけを見ても、控除前の額面と税額の内訳は分かりにくいので、自分で一度計算することをおすすめします。

具体例:勤続20年・退職金1,000万円

勤続20年の退職所得控除は40万円×20年で800万円です。収入1,000万円から800万円を引くと200万円。2分の1で100万円、千円未満切捨てでも100万円が課税退職所得です。所得税は195万円以下なので5%、5万円。復興特別所得税は5万円×2.1%で1,050円。住民税は100万円×10%で10万円。税金合計は151,050円、手取りは9,848,950円です。

「1,000万円もらえる」と思っていると約15万円少ない、という感覚になります。額面2,000万円・勤続20年なら、控除後1,200万円の2分の1で課税退職所得600万円。所得税は20%帯に入り、住民税60万円と合わせると税負担は百万円単位になります。額面が倍でも手取りは倍にはなりません。

2分の1が使えないケースがある

役員等で勤続5年以下の退職金(特定役員退職手当等)は、2分の1がありません。収入から控除を引いた額がそのまま課税退職所得になります。また令和4年以後、役員以外でも勤続5年以下の退職金は「短期退職手当等」として、控除後300万円を超える部分に2分の1が使えません。短期で高額の退職金を受け取る設計だと、想定より税が重いことがあります。

本ツールでは、勤続5年以下の特例に該当する場合にチェックを入れると、この制限を反映します。転職の早期退職パッケージで数千万円が提示されたときは、額面のまま住宅資金に充てる計画を立てない方が安全です。

所得税と住民税の見え方の違い

所得税と復興特別所得税は、退職金の支給時に源泉徴収されるのが通常です。住民税も、退職所得については原則として支給時に特別徴収されます。したがって、口座に振り込まれる時点ですでに手取りに近い金額になっていることが多いです。ただし「退職所得の受給に関する申告書」を提出していないと、源泉が多めに引かれ、確定申告で精算することになります。

住民税の10%は、都道府県民税4%と市町村民税6%の合計です。本ツールでは円未満を切り捨てて表示します。実際の源泉徴収票と数円ずれることはありますが、意思決定に使う精度としては十分です。

手取り計算でやりがちな失敗

失敗例の1つ目は、給与の税率(20%や23%)を退職金の額面にそのまま掛けることです。控除と2分の1を無視すると、税額を何倍にも見積もってしまいます。2つ目は、iDeCoや企業型DCの一時金を別計算してしまうことです。同年合算だと控除が共有されるため、個別に出した手取りの合計より少なくなります。3つ目は、障害退職なのに100万円の加算を忘れることです。

逆に「退職金は税金がほとんどかからない」と油断するのも危険です。勤続が短い、額面が大きい、同じ年にiDeCoを崩す、短期退職手当に当たる、といった条件が重なると、手取りは想像以上に減ります。計算はツールに任せ、自分は条件の入力漏れだけをチェックする、という使い方が効率的です。

検算のチェックリスト

計算が終わったら、次の5点を見てください。勤続年数は端数を切り上げているか。障害退職の加算が事実と一致しているか。iDeCo・企業型DC・他社分を同年に足しているか。勤続5年以下なのに2分の1を満額で見ていないか。手取りは額面から所得税・復興税・住民税を引いた金額になっているか。

源泉徴収票が届いたら、本ツールの税額合計と並べます。数円の差は端数処理の違いで起きることがあります。万円単位でずれるときは、申告書の提出有無や、ほかの一時金の合算漏れを疑ってください。数字の根拠が見えると、転職や住宅の判断が落ち着きます。

まとめ

退職金の手取りは、控除→2分の1→所得税・復興税→住民税、の順で決まります。勤続20年・1,000万円なら税は十数万円規模ですが、額面や勤続、特例、同年の他の一時金で結果は変わります。数字の根拠を一度通すと、転職や老後資金の計画が現実的になります。

この記事のよくある質問

退職金やiDeCoの計算に関するよくある質問と回答

Q.退職金 税金 計算はいくらくらいですか?

退職所得控除から所得税・復興税・住民税までの手順を具体例で解説します。無料・登録不要のツールで、自分の額面の手取りもすぐ確認できます。記事のあとで、自分の数字を入れて税額と手取りの内訳までその場で確認できます。

Q.この記事の内容を自分の金額で試せますか?

はい。記事末尾のボタンから退職金の手取り計算ツールを開き、額面・勤続年数・iDeCoなどを入力すると、税額と手取りを無料・登録不要で確認できます。

Q.計算結果は確定申告に使えますか?

本ツールは概算です。源泉徴収票や税務署・税理士の確認が正式な根拠になります。事前のシミュレーションと家族の話し合いには使えます。

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