目標と取り崩し

資産の取り崩し期はいつまで持つ?運用しながら取り崩す「寿命シミュレーション」

公開・編集部

机の上のノートと予定表で計画を立てている写真

退職後にいくら残るかより、「毎月決めた額を抜いても何年持つか」の方が生活の設計に近くなります。2,000万円を起点に、運用を続けながら毎月10万円を取り崩すと、利回り0%では16年8か月(200か月)で尽きます。年3%では23年(276か月)、年5%では34年7か月(415か月)です。同じ月10万円でも、3,000万円を年5%で運用すると、50年たっても残高はゼロになりません。

この記事のシミュレーションは、その月の残高に月次の利率をかけてから、取り崩し額を引く仕組みで計算しています(税金の再計算や年金の受取金額は考慮していません)。ご自身の残高と月額で試したい場合は、ページ末尾のシミュレーターの取り崩し欄に入れてください。期間を0にすると、尽きるまでを追います。

取り崩しても利率がかかるので現金より長く持つ

現金(利回り0%)から毎月定額を抜くと、寿命は「残高÷月額」です。1,000万円÷10万円=100か月、つまり8年4か月。2,000万円なら200か月、16年8か月。3,000万円なら300か月、25年ちょうどです。

運用を続けると、取り崩したあとの残高にも次の月の利率がかかります。抜く額より増える額が大きい月は、残高が減りません。抜く額の方が大きい月でも、減り方は現金より遅くなります。年5%でも、月10万円は年120万円です。残高が約2,455万円を下回ると、月次複利の増加では月10万円を埋められず、そこから減り始めます。

この計算は毎年の値下がりを入れていません。ある年に20%下がると、同じ月額でも尽きる年は早まります。表は「平均するとその利回りだった場合」の寿命です。

残高・月額・利回りで尽きる年がここまで変わる

月数は、残高がゼロ以下になった月です。年と月は月数を12で割った表示です。

最初の資産毎月の受取利回り0%年3%年5%
1,000万円10万円8年4か月9年7か月10年9か月
1,000万円20万円4年2か月4年6か月4年9か月
2,000万円10万円16年8か月23年0か月34年7か月
2,000万円15万円11年2か月13年6か月16年1か月
2,000万円20万円8年4か月9年7か月10年9か月
3,000万円15万円16年8か月23年0か月34年7か月
3,000万円20万円12年6か月15年8か月19年5か月

1,000万円から月20万円を抜くと、年5%でも4年9か月です。利回りを上げても、月額が大きいと寿命はほとんど延びません。2,000万円・月10万円のように、年の増加と月額が近い組み合わせでは、0%の16年8か月が年5%で34年7か月まで延びます。利回りが効くのは、この「増え額と受取額が近い」帯です。

月10万円が50年持つラインはどこか

3,000万円を年5%で運用し、毎月10万円を抜く場合、50年(600か月)計算しても残高はゼロになりません。年の増加が、残高3,000万円なら約150万円、月に直すと約12.5万円です。月10万円の引き出しより大きいため、平均どおりなら残高は減るどころか増えます。

同じ3,000万円でも月15万円に上げると、年5%で34年7か月(415か月)で尽きます。月5万円の上乗せが、50年以上持つか34年で尽きるかを分けます。生活費の見積もりが月5万円ずれると、資産寿命の話が別物になります。

65歳から月10万円を足したい人が、90歳までの25年を現金だけで持つなら、10万円×12×25年=3,000万円が必要です。年5%で運用しながらなら、上の表では2,000万円でも34年7か月あり、25年を超えます。ただし値下がりが続いた場合の不足は、この25年の計算では埋まりません。不足分の考え方は、積立側の目標1,000万円の逆算と分けて見てください。

定額の取り崩しで起きやすい失敗

失敗の一つは、退職した年の残高を、高い利回りのまま全額株式で持ち、毎月定額を売ることです。下落した年に同じ10万円を売ると、口数を多く手放し、その後の回復に乗れません。2〜3年分の取り崩し額(月10万円なら240〜360万円)を価格の動きが小さい置き場に分けておくと、下落年に株式を売らずに済みます。

もう一つは、インフレで生活費が月10万円のまま止まると仮定することです。物価が上がると必要な月額は増えます。実質で見た積立の目減りは、インフレと実質リターンで、増やす側の数字として整理しています。取り崩し中も同じ物価上昇は続きます。

公的年金を無視して、生活費の全額を資産から抜く計画も過大です。年金で埋まる分を引いた不足額だけを月額にすると、必要な残高は下がります。

まとめ:月額を先に決め、利回りは幅で見る

2,000万円から毎月10万円を抜くと、利回り0%で16年8か月、年3%で23年、年5%で34年7か月です。3,000万円・年5%・月10万円は50年以内に尽きません。月額を20万円に上げると、2,000万円・年5%でも10年9か月まで縮みます。

まず生活費から年金を引いた月額を決め、利回りは0%と5%の両方で寿命を見てください。複利積立シミュレーターの取り崩しに、自分の残高と月額を入れると、表にない組み合わせの尽きる月が出ます。値下がりの年は、この平均利回りの寿命より短くなります。

この記事に関するよくある質問

取り崩し 資産寿命について、結論だけ先に知りたいです。

2,000万円を運用しながら毎月10万円取り崩すと、利回り0%では16年8か月、年3%では23年、年5%では34年7か月で残高が尽きます。3,000万円・年5%・月10万円は50年以内に尽きません。

記事の数字を、自分の積立額や利回りで試せますか?

はい。記事内のリンク、またはページ末尾のボタンから複利積立シミュレーターを開くと、初期元本・毎月の積立・ボーナス月・想定利回り・信託報酬・インフレ・NISAか特定口座・目標逆算・取り崩しを無料・登録不要で試せます。計算はブラウザ内だけで行い、サーバーには送信されません。

記事の金額とシミュレーターの結果は一致しますか?

本記事の金額は、月次複利で「その月の残高に利率をかけてから積立額を足す」このツールと同じ手順の概算です。信託報酬は想定利回りから差し引き、特定口座は運用益に20.315%をかけ、インフレは年末の資産を物価上昇で割り戻しています。初期元本やボーナス月を変えると結果は変わるため、最終的には自分の条件を入力して確認してください。

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