原価率と利益率の違いとは?店舗経営で知っておくべき基本
原価率30%=粗利率70%でも、人件費35%・家賃15%なら営業利益は約20%前後が目安。「原価率28%だから儲かっている」は固定費を見ていない失敗例です。
用語整理
- 原価率=食材÷税抜売価
- 粗利率=1−原価率(同一口径)
- 営業利益率=固定費控除後
損益分岐の例
固定費150万円・粗利率70%なら損益分岐売上≈214万円/月。これを下回る月は、原価だけでなく営業時間・客単価も見ます。
使い分け
- メニュー開発→原価率・売価計算ツールの1食粗利
- 月次→理論原価率vs実原価率(差3pt超で調査)
- 投資判断→営業利益率
まとめ
会計の「仕入高」とメニュー原価の口径を揃え、原価率は±2%許容で管理。粗利で固定費を賄えるかを毎月確認。
現場チェックリスト(1)データ入力・単位換算
- メニュー原価に包装・割箸を含めるか方針を決め、会計科目と一致させる。
- 理論原価率を原価率・売価計算ツールで更新し、P/Lの実原価率と月1回突合。
- 差3ポイント超で入力ミス3品をサンプル監査。
- 税抜・税込混在を禁止。
現場チェックリスト(2)数値目標の合意
- 粗利率70%・営業利益15%など目標を数字1枚で掲示。
- 原価率改善2ポイントのシミュレーションを店長会議で共有。
- 値上げ判断は「粗利増○万円/月」で説明。
- 四半期ごとに損益分岐売上を再計算。
月次ミーティングで見る3行
- 原価率(理論/実績)
- 粗利率(1−原価率)
- 営業利益率(P/L)
原価率だけ良化しても営業利益が横ばいなら、人件費超過か客数減。原価率・売価計算ツールは1行目の「理論」を更新するツール、P/Lは3行目の結果——混同しないことが、値上げ判断を早くします。
銀行・税理士との会話
原価率31%・粗利69%と説明し、人件費・家賃控除後の営業利益率までセットで伝えると、融資や経営助言の精度が上がります。
深化:理論原価率と実原価率の差の読み方
理論29%・実32%(差3pt)で客数は横ばい——入力ミスか未計上ロスが疑われます。理論31%・実31%で営業利益-5%——人件費38%など固定費超過が本丸です。前者は原価率・売価計算ツール監査週間、後者はシフト削減か値上げ——同じ「原価率」という言葉でも対策が真逆になるため、月次は必ず3行セットで見てください。
ケーススタディ:粗利70%でも人件費で赤字
税抜売上300万円・原価率29%(粗利71%)でも、人件費38%・家賃16%・光熱4%で営業利益約4%——原価率だけ見て「好調」と判断した失敗例です。原価率・売価計算ツールで1食粗利を上げても、シフト過多週(人件費+2pt)では営業利益が消えます。月次は粗利率と営業利益率を並べ、原価率2pt改善シミュレーション(約6万円/月)と「シフト1人削減効果」を同じスライドで見比べると、値上げか人件費かの判断が早くなります。
店長会議スライド(4枚固定)
①理論vs実原価率 ②粗利率 ③営業利益率 ④来月の1レバー(原価/人件/客単価)——原価率だけの会議にしない。損益分岐売上214万円の店が月190万円なら、原価率1pt改善より客数20食/日増または営業時間見直しが効く場合があります。原価率・売価計算ツールは「1食あたりの食材粗利」を更新する道具であり、固定費を賄うかは粗利率×売上−固定費で別計算——新人にはこの順序で教えると、原価計算の基本と混同しません。
会計ソフトの「仕入高」とメニュー原価
P/Lの仕入高300万円・税抜売上1,000万円なら実原価率30%。原価率・売価計算ツール理論29%との1pt差は許容、3pt超は未登録メニュー・廃棄・単位ミス——月次クローズで必ず並べ、差分原因を3カテゴリ(入力/ロス/未反映改定)に分類してください。粗利率だけ店長会議で称賛し、営業利益率が前月比-2pt以上なら人件費・客数のどちらかを同時に議題に上げるルールを推奨します。損益分岐売上を四半期ごとに更新し、原価率2pt改善の効果(円/月)と並べて提示すると、値上げとコスト削減の優先順位がぶれません。
この記事のよくある質問
- Q.粗利率70%なのに赤字になるのはなぜですか?
- A.粗利は食材控除後であり、人件費・家賃はまだ引かれていません。固定費35%+家賃15%なら、粗利70%でも営業利益20%前後が目安です。
