住民税の基本

住民税の計算方法(所得割と均等割)

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住民税は、前年の所得をもとに計算され、翌年6月から給与天引きなどで納める税金です。通知書を見ても「所得割」「均等割」「調整控除」と専門用語が並び、何がどう計算されているのか分かりにくいという方は少なくありません。この記事では、年収400万円の会社員(東京都在住・40歳未満・独身)を例に、住民税の計算を5つのステップに分けて解説します。

住民税は「所得割」と「均等割」の合計

住民税は、都道府県に納める道府県民税(東京都は都民税)と、市区町村に納める市町村民税(東京23区は特別区民税)の合計で、まとめて市区町村から請求されます。中身は大きく2つに分かれます。

  • 所得割: 所得に応じて金額が変わる部分。標準税率は10%(都道府県4% + 市区町村6%)
  • 均等割: 所得にかかわらず一律でかかる部分。標準は年5,000円(都道府県分1,000円 + 市区町村分3,000円 + 森林環境税1,000円)

年税額は「所得割 + 均等割」で決まります。地域によっては、これに超過課税(自治体独自の上乗せ)が加わります。詳しくは自治体で住民税が違う?超過課税とはで解説しています。

ステップ1 給与収入から給与所得を求める

会社員の場合、まず給与収入(源泉徴収票の「支払金額」)から給与所得控除を引いて「給与所得」を求めます。令和7年分(2025年分)以降の給与所得控除は次のとおりです。

給与収入給与所得控除
190万円以下65万円
190万円超 360万円以下収入 × 30% + 8万円
360万円超 660万円以下収入 × 20% + 44万円
660万円超 850万円以下収入 × 10% + 110万円
850万円超195万円(上限)

年収400万円なら、400万円 × 20% + 44万円 = 124万円が給与所得控除です。給与所得は、400万円 − 124万円 = 276万円になります。令和7年の税制改正で最低保障額が55万円から65万円に引き上げられており、住民税には令和8年度(2026年6月)分から反映されます。

ステップ2 所得控除を引いて課税標準を出す

給与所得から、各種の所得控除を差し引きます。住民税で使う主な控除は次のとおりです。

  • 基礎控除: 43万円(合計所得2,400万円以下)
  • 社会保険料控除: 実際に支払った額(年収の約15%が目安)
  • 配偶者控除・扶養控除: 一般の扶養親族は1人あたり33万円
  • 生命保険料控除: 最大7万円
  • iDeCo(小規模企業共済等掛金控除): 掛金の全額

年収400万円・独身の場合、社会保険料を約58万8,000円と見込むと、276万円 − 43万円 − 58万8,000円 = 174万2,000円です。1,000円未満は切り捨てるので、課税標準は1,742,000円になります。

ステップ3 10%を掛けて所得割を計算する

課税標準に税率10%を掛けると、所得割の基本額は174,200円です。ここから「調整控除」を差し引きます。調整控除とは、住民税と所得税で人的控除(基礎控除など)の額が違うことによる負担増を和らげる仕組みです。基礎控除の差額5万円に5%を掛けた2,500円が控除され、所得割は171,700円になります。

ふるさと納税や住宅ローン控除を使っている場合は、ここからさらに税額控除として差し引かれます。控除の効果は、ふるさと納税で住民税はいくら下がる?で具体例を紹介しています。

ステップ4 均等割を足して年税額を出す

所得割171,700円に均等割5,000円を加えた176,700円が、年収400万円の方の年税額です。年収に対する割合は約4.4%になります。

ステップ5 6月と7月以降に分けて天引きする

特別徴収(給与天引き)では、年税額を12か月に分けて天引きします。

  1. 176,700円 ÷ 12 = 14,725円 → 100円未満を切り捨てて14,700円(7月〜翌5月の毎月額)
  2. 14,700円 × 11か月 = 161,700円
  3. 176,700円 − 161,700円 = 15,000円(6月分)

100円未満の端数は6月分に集まるため、6月だけ少し多くなります。ただし、端数の処理は会社の給与システムによって異なる場合があります。

計算でつまずきやすいポイント

実際に計算するときに多い間違いを3つ紹介します。

  • 年収と所得を混同する: 源泉徴収票の「支払金額」が収入、「給与所得控除後の金額」が所得です。収入のまま税率を掛けると、大幅に多くなります。
  • 今年の年収で計算する: 住民税は前年の所得が対象です。2026年6月の通知書を確認するなら、2025年分の源泉徴収票を使います。
  • ボーナスを含めずに年収を入れる: 月給 × 12だけで計算すると、通知書より低く出ます。賞与を含めた年間の総支給額を入力してください。

ふるさと納税やiDeCoなどの控除を入れたときの金額は、住民税計算ツールの精密入力で確認できます。控除を使う前と後を見比べると、効果がよく分かります。

まとめ

住民税は「給与所得 → 課税標準 → 所得割 + 均等割 → 月割り」の順に計算します。年収400万円の独身会社員なら、年額は約17万7,000円、毎月約1万4,700円が目安です。自分の条件で試算するには、住民税計算ツールに年収と地域を入れるだけで、内訳まで確認できます。目安の金額を一覧で見たい方は、年収別の住民税早見表も参考にしてください。

この記事のよくある質問

Q. 住民税の所得割と均等割は何が違いますか?
A. 所得割は所得に応じて金額が変わる部分で、標準税率は10%です。均等割は所得にかかわらず一律にかかる部分で、標準は年5,000円です。住民税は、この2つの合計に超過課税を加えた金額になります。
Q. 年収400万円の会社員の住民税はいくらですか?
A. 東京都在住・40歳未満・独身で、社会保険料を概算とし、ふるさと納税などの控除を使わない場合、年額は約176,700円、毎月の天引きは約14,700円です。扶養家族や各種控除によって変わります。