住民税が高いと感じたときの確認ポイント
6月に住民税の通知書を受け取って、「去年より高い」「思っていたより引かれる」と感じる方は少なくありません。高く感じる原因は、制度上の自然なものと、控除の反映漏れなど見直せるものに分かれます。この記事では、原因を順番に切り分ける確認ポイントを紹介します。
まず確認:高く感じるのは自然な理由かもしれない
最初に、制度上、高くなって当然のケースを除外します。
- 前年の所得が増えた: 住民税は前年の所得で決まります。昇給、賞与の増加、残業代、副業の収入があった年は、翌年6月から住民税も上がります。
- 新社会人の2年目: 1年目は天引きがなく、2年目の6月から初めて天引きが始まるため、手取りが減ったように感じます。
- 所得税と違って毎月固定: 所得税は、残業代などで毎月変動します。一方、住民税は12か月ほぼ同額なので、天引きが目立ちます。
たとえば、年収が400万円から450万円に上がった方は、翌年の住民税が約17万6,700円から約20万9,300円へ、約3万2,600円増えます。年収が上がれば自然な変化です。
控除の反映漏れを疑う
収入が変わっていないのに高いときは、年末調整で出した書類が反映されていない可能性があります。次の項目を確認してください。
- iDeCo・小規模企業共済: 掛金の払込証明書を、年末調整で提出したか
- 生命保険料控除: 保険会社から届く控除証明書を提出したか
- 配偶者・扶養親族: 「扶養控除等申告書」「配偶者控除等申告書」に記入したか
- ふるさと納税: ワンストップ特例の申請書を期限までに送ったか。確定申告をしたのに、寄附金控除を書き忘れていないか
- 住宅ローン控除: 住民税分の控除が、通知書の「住宅借入金等特別税額控除額」に載っているか
- 医療費控除: 確定申告をしないと、住民税にも反映されません
失敗例として、iDeCoを月2万3,000円(年27万6,000円)で続けていたのに、年末調整で払込証明書を出し忘れていたケースがあります。年収400万円の方なら、住民税は約27,600円高くなります(控除が反映されると10%安くなるため)。
通知書と源泉徴収票を突き合わせる手順
控除の反映漏れは、次の順序で見つけます。
- 通知書の「所得控除の内訳」欄を確認し、社会保険料控除、生命保険料控除、扶養控除、配偶者控除などの金額を見る。
- 前年の源泉徴収票と見比べて、同じ金額になっているか確認する。差があれば、それが原因の候補です。
- 住民税計算ツールに年収や控除を入力し、精密入力に通知書の年額を入れて差額を確認する。
- 差額があれば、表示される原因チェックリストで心当たりの項目を探す。
たとえば、ツールの計算結果が年149,100円なのに、通知書が176,700円だった場合は、差額27,600円です。これはiDeCoの年27万6,000円の10%に相当します。このように、差額から原因を逆算できます。
反映漏れが見つかったときの対処
控除の漏れが分かった場合は、次のように手続きします。
- 年末調整のやり直しは、会社の対応期限を過ぎていると難しいため、確定申告(還付申告は5年以内)で控除を追加する。
- 確定申告をしない場合は、市区町村への住民税申告で、控除の追加を申し出る。
- 手続きが認められると、住民税の税額が更正され、差額が還付されるか、以降の天引き額が変わる。
納得できない場合は、まず市区町村の住民税担当窓口に問い合わせます。通知書を受け取った日の翌日から3か月以内であれば、審査請求もできます。
超過課税・均等割も見ておく
控除の漏れがなくても、住んでいる地域によって均等割が高いことがあります。神奈川県や横浜市、兵庫県などは、標準の5,000円に超過課税が加わります。通知書の「均等割額」が5,000円を超えているときは、超過課税の可能性が高いです。詳しくは自治体で住民税が違う?超過課税とはで解説しています。
窓口に相談する前に用意しておくもの
市区町村の窓口に問い合わせるときは、次の書類をそろえておくと、話がスムーズに進みます。
- 住民税の決定通知書(納税通知書)
- 前年分の源泉徴収票(できれば、控除証明書や払込証明書も)
- マイナンバーカードなどの本人確認書類
- ツールで試算した結果と、差額が分かるメモ
窓口では、「どの控除が反映されていないと考えているか」を具体的に伝えるのがコツです。たとえば「iDeCoの掛金27万6,000円が、所得控除に入っていないようだ」と伝えれば、担当者は該当の申告書や証明書を探しやすくなります。電話で問い合わせる場合も、通知書を手元に置いて、記載されている金額を読み上げられるようにしておきましょう。
まとめ
住民税が高いと感じたら、①前年の所得が増えていないか、②年末調整の控除が反映されているか、③超過課税の地域ではないかの順に確認します。ツールで計算した値と通知書の差額が分かれば、原因を絞り込めます。まずは住民税計算ツールで、通知書の金額と比較してみてください。通知書の項目の見方は、住民税はいつから払う?6月の通知書の見方も参考になります。
この記事のよくある質問
- Q. 住民税の控除が反映されていなかったとき、どうすればよいですか?
- A. 控除の追加は、確定申告(還付申告は5年以内に可能)か、お住まいの市区町村への住民税申告で手続きします。申告が認められると、住民税の税額が更正され、差額が還付されるか、以降の天引き額が変更されます。
- Q. 住民税の金額に納得できない場合の相談先はどこですか?
- A. まず、お住まいの市区町村の住民税担当窓口に、通知書を持参するか電話で問い合わせます。納税通知書などを受け取った日の翌日から3か月以内であれば、審査請求を行うこともできます。