住民税が非課税になる年収の目安
住民税は、一定の収入以下であれば「非課税」になり、負担がゼロになります。非課税のラインは、独身か家族がいるか、どこに住んでいるかによって変わるため、いくらまでなら大丈夫なのかが分かりにくい税金です。この記事では、令和8年度(2026年6月〜)の非課税の目安を、ケース別に整理します。
非課税には「所得割」と「均等割」の2つの基準がある
住民税の非課税は、「均等割」と「所得割」でそれぞれ基準があり、判定は前年の合計所得金額(会社員なら給与所得)で行います。基準は次のように決まります。
- 均等割が非課税: 合計所得 ≦ 35万円 × 人数 + 10万円 +(家族がいる場合は21万円)
- 所得割が非課税: 合計所得 ≦ 35万円 × 人数 + 10万円 +(家族がいる場合は32万円)
ここでの「人数」は、本人 + 同一生計の配偶者 + 扶養親族の合計です。この基準は、お住まいの市区町村の「級地」(1級地〜3級地)によって異なり、1級地(東京23区や政令指定都市など)が最も高く、級地が低い地域ほど基準も低くなります。この記事の金額は、1級地の場合です。
独身・配偶者あり・扶養ありの年収目安
給与所得に換算して、年収の目安に直すと次のようになります(令和8年度、1級地、給与収入のみの場合)。
| 家族構成 | 均等割が非課税 | 所得割が非課税 |
|---|---|---|
| 独身 | 年収110万円以下 | 年収110万円以下 |
| 配偶者あり(または扶養1人) | 年収166万円以下 | 年収177万円以下 |
| 配偶者と扶養1人 | 年収約205万円以下 | 年収約221万円以下 |
非課税の判定では、扶養親族の人数に16歳未満のお子さんも含めて数えます。令和7年の税制改正で、給与所得控除の最低保障額が55万円から65万円に引き上げられました。これに合わせて、独身の非課税ラインは年収100万円から110万円に上がっています。
年収110万円を超えると、どうなるか
独身の方が年収110万円を少し超えた場合、急に高くなるわけではありません。社会保険料を支払っている場合は、均等割だけが課税され、所得割は控除を引いたあとの所得が出るまでかかりません。目安は次のとおりです。
- 年収110万円以下: 均等割・所得割ともに0円
- 年収120万円: 均等割5,000円のみ(所得割は0円)
- 年収130万円: 年税額約6,400円(社会保険料を概算で加入している場合)
- 年収150万円: 年税額約22,400円
社会保険に加入していない(社会保険料がゼロの)場合は、控除が少ないため、同じ年収でも住民税が高くなります。たとえば、年収130万円で社会保険料がゼロの場合は、年税額が約24,500円になります。
非課税になる、そのほかの条件
年収が上のラインを超えていても、次の方は前年の合計所得が135万円以下(給与のみなら年収約204万円以下)であれば、住民税が非課税になります。
- 障害者
- 未成年者(18歳未満)
- 寡婦
- ひとり親
また、生活保護を受けている方も、住民税は非課税です。
非課税になるメリットと、確認する方法
住民税が非課税になると、納税がゼロになるだけでなく、さまざまな制度の判定基準にもなります。
- 国民健康保険料・介護保険料の軽減
- 高額療養費の自己負担上限の引き下げ
- 保育料・授業料減免の判定
- 住民税非課税世帯向けの給付金
ここで注意したいのは、「世帯全員が非課税か」で判定される制度が多い点です。自分が非課税でも、同じ世帯に課税される人がいると対象外になります。
失敗例として、年収が非課税ラインちょうどの方が、年末にシフトを増やして110万円を超えてしまい、翌年の住民税で均等割5,000円が課税されたというケースがあります。年収の見込みが非課税ラインに近い場合は、年末の勤務を調整するほか、住民税計算ツールで前もって試算しておくと確実です。パート・アルバイトの方の年収ごとの目安は、パート・アルバイトの住民税で紹介しています。
年末に確認したい、非課税ラインとの距離
非課税になるかどうかは、1年間の収入で決まります。年末の時点で、今年の収入がラインのどのあたりかを把握しておくと安心です。次の手順で確認します。
- 年内の給与明細から、支払金額(額面)の合計を出す。まだ受け取っていない12月分は、見込み額で足す。
- 掛け持ちの仕事や単発の収入があれば、すべて合算する。
- 家族構成に合うラインと比べる。独身なら年収110万円、配偶者や扶養がいる場合は、前の表の金額が目安になる。
- ラインに近いときは、年末の勤務日数を調整する。
非課税の基準額は、お住まいの市区町村の級地によって決まります。同じ年収でも地域が違うと結果が変わることがあるため、迷うときは、市区町村の住民税担当窓口で確認してください。
まとめ
独身の会社員は、年収110万円以下なら住民税が非課税です。配偶者や扶養親族がいる場合は、均等割で年収約166万円以下、所得割で約177万円以下が目安になります。非課税のラインは、住んでいる地域の級地や、家族構成によって変わります。正確な判定は、お住まいの市区町村で確認してください。まずは住民税計算ツールで、自分の年収の場合の住民税を試算してみましょう。税額が出る仕組みは、住民税の計算方法で解説しています。
この記事のよくある質問
- Q. 独身の会社員は、年収いくらまで住民税が非課税ですか?
- A. 令和8年度(2026年6月〜)は、年収110万円以下が目安です。給与所得控除の最低保障が65万円に引き上げられたことで、これまでの100万円から10万円上がりました。1級地(東京23区や政令指定都市など)の基準で、級地が低い自治体では、これより低くなる場合があります。
- Q. 非課税になると、住民税以外にもメリットはありますか?
- A. あります。国民健康保険料や介護保険料の軽減、医療費の自己負担上限の引き下げ、保育料の軽減、住民税非課税世帯向けの給付金の対象になるなど、多くの制度で判定基準に使われます。