ロス率・歩留まりとは?原価計算で失敗しないための計算手順
歩留まりを無視すると、原価率は5〜12ポイント良く見えます。正味量=実際に料理に使える量。ロス率=100−歩留まり率です。
計算手順(4ステップ)
- 仕入れ量(例:玉ねぎ1kg)を記録
- 下処理後の正味量(例:850g)を3回計量して平均
- 1g単価=仕入れ金額÷正味量g
- 1食使用量×1g単価=1食原価
例:120円/kg・正味850g → 0.141円/g。1食50gなら7.1円。0%歩留まり扱いだと6.0円となり、差は月数百注文で数千円規模になります。原価率・売価計算ツールで仕入れ量と正味量を分けて入力してください。
在庫ロスと調理ロス
| 種類 | 例 | 対策 |
|---|---|---|
| 在庫ロス | 賞味切れ | 発注量見直し |
| 調理ロス | 盛り過ぎ | ディッシャー指定 |
失敗例
- 解凍ドリップを含めず10%原価過小
- 新人の切り方バラつきで歩留まり70〜90%が混在
- 正味量を「だいたい」で1年更新しない
まとめ
主力食材10品を四半期ごとに再計量。理論原価と実原価の差3ポイント超なら、ロス記録を2週間つけてください。
現場チェックリスト(1)データ入力・単位換算
- 冷凍品は解凍後に計量し、マスターに「解凍後正味量」と明記。
- 1kg表示のパックが実量980gの場合、実測値を優先。
- 歩留まり50%未満の品目は入力ミスとして再確認(除外3件/月まで)。
- 原価率・売価計算ツールのCSVで正味量変更履歴を月1回監査。
現場チェックリスト(2)ロス改善の合意
- 廃棄kgを週次でホワイトボード共有(前週比+10%で原因会議)。
- 盛り付けトレーニング後、1食使用量を2g単位でレシピ改定。
- 値上げではなくロス削減で2ポイント改善できた品はスタッフに還元報告。
- 仕入れ担当と厨房で「歩留まりマスター」更新日を月2回固定。
計量シートの使い方(1週間)
厨房出口に「廃棄kg」「正味量再計測」欄付きシートを置き、閉店後5分で記入。玉ねぎ・キャベツ・肉類の3品だけでも、週間廃棄15kg→9kgに下がった店舗では原価率が1.8ポイント改善しました。計量なしで「なんとなくロス多い」と感じるだけでは、改善優先度が決まりません。
仕込み量の決め方(曜日係数)
月曜0.85・金曜1.15など、POS過去4週の係数を掛けた仕込み表を作ると、廃棄は平均20%前後減りやすいです。歩留まりは「切り方」、ロスは「仕込み量」——別KPIで管理してください。
深化:骨付き肉の歩留まり再計測
骨付きもも1kg・仕入480円を3回計量すると正味720g・680g・710g——平均703g、歩留まり70.3%。0%扱いだと1g単価0.48円、正しくは0.683円で43%過小。1日50食×30g使用なら、1日あたり約1,000円の原価誤差になります。四半期に1回、骨付き・根菜・魚の3カテゴリだけでも再計量すれば、理論と実原価の差3ポイント超の原因の半分は特定できます。
ケーススタディ:歩留まり更新で2.1pt改善
キャベツ1玉・仕入110円を「1kg扱い」から実測正味920g(歩留92%)へ修正し、1食40g使用のサラダ原価を4.4円→4.78円へ是正。単品は小さいですが、週500食規模で月数千円、さらに廃棄kg記録と仕込み係数(金曜1.15)を組み合わせ理論31.4%→29.3%(2.1pt)。新人教育で「皮むき前後を別食材にしない」ルールを1枚追加し、再発を防止しました。
四半期再計量カレンダー
1月・4月・7月・10月の第2週に、根菜・骨付き肉・魚の3カテゴリ×各2品を計量。原価率・売価計算ツールの正味量を更新し、理論原価率が0.5pt以上動いた品はレシピ表にも反映。調理ロス(盛り過ぎ)と在庫ロス(仕込み過多)を同じ「廃棄kg」に混ぜると対策がズレるため、シートを2列に分け、週次で在庫ロスが前週比+10%なら発注量、調理ロスが+10%ならディッシャー導入——切り分けが改善速度を決めます。
新人トレーニングの合格基準
皮むき・骨抜き後の正味量を先輩と同条件で3回計量し、バラつき5%以内なら合格。超えた場合は再トレーニング1週間——歩留まり70%と85%が混在する厨房では、理論原価率が品ごとに2pt以上ブレ、ABC分析自体が狂います。計量結果は原価率・売価計算ツールとレシピ表の両方に同じ日付で反映し、片方だけ更新する二重管理を禁止してください。
この記事のよくある質問
- Q.歩留まり率はどのくらいが一般的ですか?
- A.食材により異なります。玉ねぎ85%、鶏もも骨付き70%前後など、品目ごとに3回計量した平均をマスターにしてください。
